年に数回実施される、全国交通安全週間。一人ひとりが交通ルールを遵守し、交通マナーの実践を習慣づけることによって、道路の安全を守り、交通事故を未然に防ごうという取り組みです。この時期になると、小学校などの教育機関で交通指導の時間が設けられたり、期間中は横断歩道などの危険個所で見守りが強化されたりします。もちろん歩行者だけではなく、ドライバーへの啓発も盛んにおこなわれます。
この全国交通安全運動は昭和23年(1948年)に始まり、開始当初は国家地方警察本部から通達され実施されるものでした。しかしその後まもなく、自家用自動車が急激に普及します。自動車用道路の整備が追い付かない日本の道路は狭く見通しも悪いため、交通事故が急増。これを受けて、昭和37年(1962年)からは政府主体の重要施策となりました。
そして、これらの取り組みの普及や、広くて見晴らしのいい自動車用道路の整備、自家用車の性能の向上などのおかげで、日本の交通事故死者数は1990年代をピークに減少を続け、平成28年にはついに4000人未満になりました。これは、自動車普及以前、まさに全国交通安全運動開始年の昭和23年とほぼ同水準の数です。
全国交通安全週間は、原則的には春季と秋季の年2回です。春季は始業式や入学式前後の4月6日~4月15日、秋季は9月21日~9月30日ごろにおこなわれます。しかし、夏季や冬季にも取り組む都道府県も少なくありません。夏季は学校が夏休みに入る直前の7月11日~7月20日ごろ、冬季は日照時間が短くなり夕方からの視界が悪くなる12月10日~12月16日ごろです(冬休み直前まで日程を延ばしたり、繰り下げたりする自治体もあります)。あくまで目安なので、ぜひお住まいの地域の交通安全週間をチェックしてみてください。